観光・文化

河内の歴史

 河内町は茨城県の最南端、首都圏50キロに位置し、南北2.8キロ、東西19.2キロ、利根川と新利根川に挟まれた米作農業を主とする町である。戦後旧4か村を合併した河内村が平成8年(1996)6月1日、町制を施行して成立した。

 古代から明治にいたるまで旧生板・源清田・長竿の三村は常陸国に、旧金江津村は下総国に属し、奈良時代『常陸風土記』には流海と鹿の棲む葦原であったと記されている。

 町域に集落が形成されるのは、金江津地区の常総板碑の存在から鎌倉以降のことと思われる。南北朝時代、香取神宮文書(14世紀末)に金江津の地名につながる「カナエト」の記事が見られ、徳川家康の家臣松平家忠が書き残した日記にも船着場「かなえと」が登場する。

 大洞院入口に建つ福田市郎兵衛家の宝篋印塔は助崎城主の遺臣が金江津の地を拓いた歴史を伝え、福田家に伝わる文書は天正18年(1590)を「開巷紀元」としている。大同元年(806)開基と伝えられる妙行寺の「村鑑抄写」の記載、万年大日台座の「東条庄」の文字はこの地方の歴史も鎌倉・室町時代まで遡れることを示している。

 さらに江戸崎土岐氏の家臣が土着した生板の大野家に伝わる弘治4年(1558)の「土岐氏判物」は戦国時代末期生板近隣の野地の開発を命じたもので、土岐氏の支配が町域に及んでいたことを示している。

 また妙行寺をとりまく壕・土塁の遺構は土岐氏城館跡「生板小川遺跡」として県の遺跡地図に登録されている。

 本格的な河内地方の歴史は江戸時代になってからである。慶長年間の検地の後、生板・源清田村の麻生藩新庄家支配、長竿村の仙台藩伊達家支配、金江津村の佐倉藩堀田家支配の一時期を経て、寛文年間の新利根開削に際して河内地方の大部分は幕府直轄領(天領)に組み入れられ、後期には旗本知行地、前橋領への支配替えが行われた。その新利根川開削は当初の目的を果たせず廃川となったが、河内地方の用排水の重要な役割を果たし、新田開発を促した。新田の字名には羽子騎、古河林、手栗、庄布川、布鎌、大徳鍋子、竜ケ崎町歩など他村からの移住開拓の歴史を伝えるものが多い。

 他方利根川堤防の決壊や新利根川流域湛水等による恒常的水害とのたたかいも歴史の重要な柱になっている。凶作と過重な年貢取り立てに代官吉岡次郎左衛門に対する生板一揆も歴史に残る事件で、その頭取片岡万平ら三人は今も村を救った義人として慰霊法要が続けられている。

 水とのたたかいでは、江戸時代の水塚構築、近代にはいっての先駆的な蒸気機関による排水と耕地整理が進み、一方地主制の形成もすすみ、稲敷郡下50町歩以上地主リスト(大正13年)で郡内7人中4人が町域に集中しており、小作争議も頻発した。こうした環境のもと金江津小学校では大正から昭和初めにかけて自由教育の影響をうけた「体験教育」が行われ、その実践は海外にも知られた。

 太平洋戦争下、町域では昭和17年、長竿村と源清田村が合併し、瑞穂村としてその村名にふさわしい食糧増産の責を負うことになり、勝福寺や海禅寺は東京からの学童集団疎開を受け入れている。戦後農地改革では県・郡を上回る農地が解放され、昭和23年には瑞穂村は成立7年にして分村、翌年その名を残していた長竿地区も旧村名に戻った。

 昭和30年(1955)5月3日、町村合併促進法に基づき、まず生板・源清田・長竿3村が合併して河内村が成立し、昭和33年(1958)2月15日金江津村を加えて、旧4村による河内村が成立した。新村は「農業立村」を旗印に土地改良と生産基盤整備、農業近代化施設整備による農業生産力の向上をはかり、土地区画を3反に統一、用水のパイプライン化、ライスセンターの誕生、役場新庁舎、学校、公民館等の公共施設の整備、長豊橋の開通(昭和43年)、さらには昭和54年(1979)2月の常総大橋の開通により、世界の窓口成田国際空港、つくば研究学園都市に近接する豊かな穀倉地帯として発展していくことになり、平成8年(1996)6月1日町制を施行し、現在に至っている。

 河内町は江戸時代から利根川水運と河岸の発達により、進んだ中央の文化の影響を直接にうけ、豊富な有形・無形の文化財を残している。漢学・算学、一茶の頻繁な来訪、曲流舎俳諧の流行をみ、現代に至っても医学者で日本のスキーの草分け大野精七博士、書家秋山海堂、戦後短歌界をリードした長塚節に次ぐ茨城を代表する歌人大野誠夫らを輩出した。

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