自動車やバイクの事故や故障等が発生した際、消費者自身で対処することは難しいケースが多いため、ディーラーや修理業者、ロードサービス業者といった専門の事業者に依頼することが一般的です。
ところが、全国の消費生活センター等には「インターネットで検索したロードサービス業者に依頼したところ、事前に説明のなかった高額な費用を請求された」等の相談(注1)が寄せられており、2022年度には前年度の約3.3倍に急増しています。契約当事者には20歳代や学生が多く、自動車のトラブルに慣れていない消費者が慌ててインターネットを検索し、ロードサービス業者に依頼しているケースが多いものと考えられます。
図.PIO-NET(注2)における「インターネットで依頼したロードサービス」に関する相談件数の推移
全国年度別相談件数:2018年度は43件、2019年度は70件、2020年度は95件、2021年度は231件、2022年度は773件です。
- (注1)本資料における「インターネットで依頼したロードサービスのトラブル」とは、自動車及びバイクのパンク、バッテリー上がり、キー閉じこみ等に対してインターネットで検索したロードサービス(開錠サービスなど、必ずしもロードサービスを標榜していないものも含む)を依頼したものをいう。
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。本資料の相談件数等は2023年5月31日までのPIO-NET登録分。なお、2023年度は99件。
相談事例
事前説明のない「緊急対応費」や「祝日対応費」を請求された
自動車で外出しようとしたところ、自宅に停めていた自動車のエンジンがかからなかった。自動車保険にロードサービスが付帯しているが、サービス範囲外だと思い、インターネットで見つけた「基本料金3,480円」と書いてあるロードサービス業者に電話した。費用は自動車を見ないと分からないだろうと思い、こちらからは確認しなかった。
自宅に来たロードサービス業者が自動車を見て「バッテリーかな。基本料金は3,500円で、バッテリーテスター作業が8,000円」と言われた。作業をしてもらったところ、「バッテリーが上がっている。低電圧で充電するなら1万6,000円だが、これで直らなければ高電圧となり3万円となる。合計4万6,000円になるので、最初から高電圧を勧める」と言われたので高電圧でお願いした。
高電圧の作業後「お盆なので特別料金が加算される。緊急対応費や祝日対応費、消費税を足して合計約7万円です」と言われた。「高すぎる」と言ったところ、少し値引きされて6万5,000円になった。仕方なく支払ったが、こんな高額になるとは思わなかった。
(2022年8月受付 30歳代 女性)
その他、以下のような相談も寄せられています
- 料金について十分な説明がないまま作業され、高額な料金を請求された。
- 事前説明のないキャンセル料を請求された。
- 費用を損害保険会社に請求できると言われて契約したが、認められなかった。
- 作業内容(原因診断)が不適切で直らなかった。
消費者へのアドバイス
- 自動車の故障等が生じた場合は、まずは契約している損害保険会社や保険代理店に問い合わせましょう。
- サイト等の表示や電話で説明された料金を鵜呑みにしないようにしましょう。
- 請求された金額や作業内容に納得できない場合は、きちんとした説明を求めましょう。
困ったときには1人で悩まずお早めにご相談ください
◆ご相談は 河内町消費生活相談窓口 相談日:火曜日、木曜日
9:30~16:30(12:00~13:00除く)